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2024年09月29日

3-35 施設での様子15+嬉しい面会

2023年7月になると母の活気は鳴りを潜め、以前のような立腹が殆ど無くなり、車いすに座っていても居眠りしたり、午後もベッドで眠ることが増えた。

車いすから立とうとすることがあるものの、歩き出すこともなく、というより歩く筋力がないうえ、立つことも自力ではままならず、様子を見てスタッフがトイレ誘導をしていた。
食事も8割ほどの摂取で、自力では5割ほどしか口に出来ないことから、食事の介助も始まった。

7月下旬に、地方に住む兄家の長男(私から見ると甥)家族が上京した。
先日(2024年9月)上京したのは次男家族だ。

こちらは2022年に女の子が誕生しており、母から見ると7番目のひ孫になる。
その子も連れて、家族3人で面会のため施設に行ってくれ、母にとっても、甥にとっても、これが最後の顔合わせとなった。

家族で夏休みを利用して夢の国に行くのが目的で上京したが、我が家に何も言わずに行くことだって出来たはずなのに「ばあちゃんに会いたい」と言う気持ち、奥さんも嫌がらずに一緒に行ってくれるなんて、母は本当に幸せな人だ。

1歳のひ孫がキャッキャとはしゃぐ様を見て、母は何を思っただろう。

子供の頃から苦労の絶えない人であり、結婚後も苦難の連続だった。それが今や3人の子供、5人の孫、8人のひ孫に恵まれ、認知症になって何も分からないだろうと周囲が思うような状態でも、遠方にいる家族はその身を案じ、出来るだけの心配りをしてくれる。人生の終盤にこのような境遇に至ったことは、母の辛抱、身に徳を受けるだけの行いの連続の賜物だったろうと思えてならない。

今振り返ると、この時点で母の余命は半年を切っていた。
最期に向かい、会うべき人に会い、一人、また一人と別れを告げるチャンスをもらっていたのだろう…と、改めて思った。

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