3-49 最後の時43-51 最後の時6+お礼の気持ち

2024年10月14日

3-50 最後の時5

12月23日、世間はクリスマスムード一色で、私も以前より友達宅に伺う約束をしていたが、母のことを話すと、逆に友達が都心に出向いてくれ、病院の近くでランチをすることになった。

頭の片隅には常に母の顔が浮かぶものの、だからと言って自分の生活も大切にしなければ…ということで、クリスマスランチを堪能後、面会時間には母の元へ向かった。

母に声をかけるものの、この日は目を覚ますこともなく、たまに「う~~ん」と唸り声をあげるだけでずっと眠り続けていた。手と足がむくんでいたので、少しの間さすり続けた。
ベッドでずっと寝ているだけなので、体内循環の働きも緩慢となり、点滴だけの栄養であっても、体はむくみ排出機能が万全でないことが分かる。

翌24日に面会に行くと、ちょうど姉も来ていたので、二人で母に会った。
着いた時は眠っていたが、何やらムニャムニャ寝言を言っており、声をかけると目を開けた。
最初はぼんやりしていたが、そのうち私達のことを認識出来た様子。

手をさすったり、背中を撫でたりすると「いい~、いい~」と言う。それは「私のことはいいから、早く帰りなさい」ということだろう…と。
自分が瀕死の状態にあっても、子供に面倒をかけること、その身を案じる思いが消えないこと、親の思いとは尊いものだと改めて思わされた。

面会時間の30分が過ぎる頃、母に手を振って別れを告げると、それまでじっとしていた母が布団から手を出し「バイバイ」と振り返してくれた。
どこにそんな力が残っているのだろう!と驚いた。子供に心配をかけまいと、母の本能がなせる業だったのかもしれない…ふと、そんなふうに思えてならなかった。

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