介護離職

2024年06月28日

1-23 仕事は辞めない

父の介護時も、母の介護が必要になってからも、私は週5フル勤務しているが、仕事は辞めなかった。介護のために辞めたら、もっと現実はキツクなるだろうと予想出来たし、辞めたら経済面でも生活が途端に回らなくなるからだ。

子育てもそうだが、どんなにかわいい子であっても、四六時中一緒にいるのは精神的にキツイ。
家族であれ、親しい人との間柄であっても、ずっと一緒にいることはないし、一人になる時間は必要だ。

コロナになるまでは、週1~2テレワーク、週3~4通勤していた。
朝早く起きて、掃除、洗濯、朝食と留守にする間の母の昼食を準備し通勤。帰宅してから夕飯を作り母と一緒に食べ、母の入浴介助、就寝まで見守る。
夜中に母のトイレの介助が続くこともあり、慢性的な睡眠不足に陥っていたが、それでも仕事を辞めよう、とは思わなかった。

介護で一番キツかったのは「眠れないこと」だったが「寝た、寝た!」と自己暗示をかけて凌いでいた。とはいえ、日中眠くなることもあるので「気のせい!気のせい!」とこれまた同様に自身に言い聞かせていた。

介護生活になってからは、遊ぶ時間も減ったし、友達ともあまり会えなくなったものの、習い事も続けていたし、年に2度は旅行もし、朝のウォーキングも欠かさなかった。
これまでの生活習慣をなるべく変えることなく、キツクないよう工夫を凝らした。

介護度が上がるにつれ、自分の手に負えないと見通せた時、初めて行政の力を借りることにした。

介護は一人で抱えるものではないし、抱えきれるものではない。
家族や友人など、周りに話をするだけでも自分の知らなかった方法が見つかることもある。
母が88歳になってから介護認定が下り、それに応じた対策を取ることになっていく。

介護が原因で仕事を辞める人が多くいる昨今ではあるが、辞める前に家族、親族、知人、友人、行政に相談することをお勧めする。
また、仕事を辞めてしまうと、特別養護老人ホームの申請において優先ポイントが減ってしまうので、そこも念頭に入れておいたほうが良いだろう。

それぞれ環境が違うから一概には言えないが、私見として「仕事を辞める=更なる窮地」となる。そうならないためにも、文殊の知恵が必要だ。

240628


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