内臓機能の衰え

2024年10月16日

3-52 最後の時7

12月26日、13時からの表彰式を終えると、その足で医師の説明を聞くために病院へ急いだ。
この日は姉にも同席してもらい、一緒に話を聞いた。

私達が病室に着いた時、枕に顔をうずめた母は胆汁を吐いており、その黄色い液体が床まで滴っていたが、忙しく動き回る看護師達はそれに気付いていなかったので、知らせるとすぐに対応してくれた。

医師の説明によると、アルブミン(血液中に100種類以上あるタンパク質のうち、60%を占めるタンパク質の成分)の数値がほぼ無いくらいまで下がっているのと、肝臓の数値が入院した時の10倍以上の値になっており、MRI画像によると、肝臓と膵臓の間くらいに腫瘍らしきものも確認された、とのことだった。

この時点でおそらく膵臓にガンが出来ている可能性があるものの、調べたところで手の施しようもないので、このまま痛まず、苦しまないように処置をするという方向性で話がまとまった。

全ての内臓機能が終息に向かっており、いつ急変してもおかしくない状況とのことだった。

24日に会った時よりガクッと弱り切っていたので、母の顔を見た時は驚きを隠せなかったものの、吐しゃ物を片し、シーツを変えてもらい、キレイにしてもらった後に会った時には、最初見た時よりは幾分精気が戻ったように感じた。

姉が手をさすり、私が声をかけながらビデオを回し、九州にいる兄にも母の状況を知らせた。
話しかけても私達のことをジッと見つめるだけで、反応はないままだった。

28日は私が仕事納めで病院に行けないため、姉が面会に行ってくれた。
その時の写真を見ると、目は空いているものの、顔はどす黒くなり、肝臓機能の衰えが如実に現れていた。

母が私達姉妹を認識出来たのは、26日がおそらく最後であったろうと思う。

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241016


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