忌引き

2024年10月22日

4-3 葬儀2

葬儀は2024年1月7日に一日葬として執り行うことになった。

九州に住む兄夫婦も1月6日の昼過ぎに上京した。

その夕方に、母の亡骸を斎場に移動することになったため、私達家族も会場へ向かった。
祭壇の設えが施されるなか、母の亡骸と対面した。納棺師により体を清拭後、キレイに化粧が施され、旅立ちの衣装に着替え、棺に収まっていた顔は、穏やかに微笑んでいた。

母は花が大好きだったので、旅立ちの衣装には桜の刺繍が施されたもの、棺には桔梗の柄が描かれたものを選んだ。元も子もない言い方だが、火葬してしまえば全て灰になってしまうから、スタンダードなもので良いという意見もあるかもしれないが、最後だからこそ、母が気持ち良く旅立てるように、好きなものに囲ませてあげたい、という親心ならぬ子供心から、姉と相談し決めた。

美しい花々をふんだんに飾ってもらったおかげで、麗しい祭壇に仕上がった。
私の職場からも立派な供花が届き驚いた。最初は職場からの香典等は全て辞退したいと思っていたが、上司から手配していると話を聞いたこともあり、甘んじて頂戴することにした。

最近の主流として、職場などでは香典を断るケースが増えている。上司や同僚等に余計な気を遣わせないこともあるが、返礼等のこともあるので、お互いそこは…という風潮になっている。

だが、組織としての供花は、祭壇に眠る御霊(みたま)を慰めるためでもあり、私を育ててくれた亡き親への感謝の意ではないか?ということに思い至った。

私が子供の頃、母が褒めてくれたことは数えるほどしかなく、万事において厳しい親だった。
そんな母が「この組織で働いていることを喜んでいた」という話を知人らから聞かされた時、職場から供花があったことは、御霊(みたま)としても嬉しいことであったろうし、子育ての成果がそこに現れていた、とも解釈出来る。

人の生きざまはこういう場面においても証明されるのだな…と思った出来事だった。

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※写真はイメージです。

starfield_152 at 07:00|PermalinkComments(0)