手術

2024年10月28日

4-9 葬儀後4

話は少し遡る。

母の葬儀が1月7日に行われることになったが、九州にいる兄が上京出来るか微妙な雰囲気だった。

前年12月26日、母の命の期限がもうすぐそこまで来ているという時に、兄、姉とグループ通話で今後の相談をした。生きている間に葬儀の話をするのも何だが、亡くなってからでは間に合わないので、その日のために、喪主は誰がするのか?葬儀は1日葬で良いか?等々といったことを話した。

事前に私が準備していた、母の願いを盛り込んだ葬儀内容を伝えたところ、二人共賛成してくれたが、喪主については、兄が「出来ないかもしれない」と言った。理由を聞くと、言いにくそうに「病気が見つかり、1月早々に手術する」と。

早期発見のため、大事には至らないとは思うものの、実際手術をしてみないと分からないこともあるし、術時の検査結果によっては入院が長引くこともある、とのこと。

兄にしてみれば、母と離れて暮らしているうえに、葬儀にも出れないことは本意ではない。自分の出来ることはしたいと思うものの、母の死期や葬儀がいつになるかは誰にも予測出来ない。

それを踏まえつつ、今後のことを相談しながら進めていたわけだが、母が元日に亡くなり、1月7日に葬儀が行えることになったおかげで、兄は無事に喪主を務めることが出来た。

兄夫婦は1月8日に帰宅し、翌週15日に入院、16日に手術となった。
手術は無事成功し、術後の経過も良く、予定通り22日には退院し、驚くことに翌日から仕事にまで行っていた。

術中の検査結果が2月14日に判明したが、結果はパーフェクトで何の問題もない、とのことだった。その後の体調も良好で、今も元気に仕事に励んでいる。

母が亡くなる直前に膵臓近辺に腫瘍が見つかった。兄は母が自分の分を持って行ってくれたのではないだろうか…と、話していたのが印象深かった。

実際のところ、それが真実かどうかは誰にも分からないが、子供思いの母のことだから、きっと兄の窮地を察し、それを自分が持って行ったのだろうと想像している。なぜなら、それまで母にはそんな兆候はまったく無い、健康体そのものだったからだ。

我が家は昔からそういうことがちょいちょいある。これも信仰心の成せる業だろうか…。
目に見えない世界のことは想像でしか語れないが、子供が元気に日々を送っている姿を見ることは、誰よりも母が一番喜ぶことだ。

きっとあの世から母も安心して見守ってくれていることだろう。

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