死の淵

2024年10月18日

3-54 最後の時9

2023年12月31日、午後より母の面会に行った。
この日も37.8℃の発熱あるも、母は自身の肩を掴んで、グイグイ押していた。無意識の行動ではあるが、まだこんなに力があるのか…と、驚かされた。

看護師に話を聞くと、内臓の機能はいつ何があってもおかしくない状態なのに、覚醒能力が高く、時々目を開けることもあるとのこと。母の生きる気力には驚かされる、と話していた。

発熱してもそれに対する薬は処方しておらず、ブドウ糖のみの点滴を行っていると。尿は出ているか聞くと、点滴をしている分より少し少ないくらいの量が出ているとのことだった。

この時、気になったのは、唇が2か所切れていたことだ。おそらく免疫力が低下していることと、発熱していることもあり、口角炎を発症しているようだった。
この日はブドウ糖の他にタゾピペ(抗生物質)の点滴が増えていた。

母の手を握ったり、脚をさすったりしながら話しかけるものの、目を開けることも、返事をすることもないままだったが、それでもまだ生きている、生かされているのだな…と、眠り続ける母を見ながらぼんやりそんなことを思った。

こうして母は死の淵をソロリソロリ?と歩みながらも、2023年を乗り切ることが出来た。
母が2023年を生き切ろうとしたその理由は…。
無意識であったとしても、潜在意識の中で、母の強い意思、願い、愛情あってのことだということを、年が開けてから分かるのだった。

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